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椅子がこわい

 2008-10-07
椅子がこわい

『椅子がこわい』


今日は、夏樹静子氏の、『椅子がこわい』を紹介します。
著者が想像を絶する腰痛から回復する、その経緯をつづったものです。


想像を絶する腰痛


腰痛の様子はこんな風であったと言います。
まず、目覚めた直後からの激痛、
そして、仕事柄打ち合わせ中に進められる、「柔らかい椅子」に座れない、居心地の悪い痛み、
そこで、立っていようとするのだが、何かにもたれないといられない不安感、
自宅に帰り、休息をとろうとすると、眠りをさますほどの痛み。

社会生活への影響、腰痛でどこにも行けない


レストランにも劇場にも行けない
電車にも飛行機にも乗れない
旅行はできない

腰痛を治しに、あらゆる治療にかかった


整形外科をはじめとする病院に行った
産婦人科にも行った
鍼灸医、
温泉療法、
手かざし療法、
祈禱(きとう)、
とにかくあらゆる治療を試した。

腰痛発病後2年、死にとりつかれてしまった


ほとんど仕事ができなくなってしまい、
自分の病が不治のものと思うようになった。
このままではこのえたいの知れぬ病気で死ぬか、自殺するか、
余病を併発して死ぬか以外はないと思いはじめる。
死にとりつかれてしまった。

心理カウンセリングを受けるが腰痛は治まらない


水泳療法をつづけていたが、
まったく治らない。
水泳を勧めた医者は著者の腰痛を不審な目で見ていた。

「これは骨や筋肉の問題じゃない。原因はメンタルなところにあるんじゃないんですか」


つまり、その医師は、この腰痛は心因性だと言う。
その医者が推薦する精神神経科を訪れたが、
そこの医師は、著者の内面にふみこまず、
精神安定剤をあたえただけだった

著者は、この腰痛は心の問題なんかではない、という自信をもっていた


作家だから、人間心理についての心得がある。
これは心の問題なんかではないという自信をもっていた。
それ以上に、自分が心の問題を抱えるなど、あり得ないことと思っていた。

ついに心理カウンセリングを受ける


医師の薦めで、河合隼雄先生に連絡をとり、
九州大学の先生を紹介される。
その時、
「ただし、どんな世界がひらけてくるか、これはわかりませんよ。だから本当に引退を賭けるつもりで闘いなさい」
と言われる。
数回のカウンセリングを受けたが、
帰りのタクシーで早くも腰が激痛に襲われた。

並行して、いろいろな治療を試すが、この腰痛には効果がない


著名なカイロプラクティックに3カ月通うが、
効果無し。
硬膜外ブロックを試すが、
効果無し。

著者自身がいまだに信じられない、腰痛からの回復


心療内科の平木英人先生に相談


平木氏は著者の説明を聞きき、

原因は心身症にある

と言った。
著者は、またかと思った。
それでも、治りたい一心で自律訓練法を試す。

そのあいだにも、さらに治療を試すが効果がない


漢方薬、
枇杷(びわ)の葉の温灸(おんきゅう)、
音響療法

熱海で絶食療法中に転機


平木医師による最後通告、

「あなたの大部分を占めていた夏樹静子の存在に病気の大もとの原因があると思います」


著者は、
「元気になれるなら夏樹を捨ててもいいくらいです」
平木医師は、
「元気になれるなら、といった取引はあり得ない。無条件で夏樹をどうするか、自分なりの結論が出たら私に話して下さい」。
著者は自分では結論が出せない。

まったく受け入れられない宣告を下される


平木医師はさらに著者に迫る
「では私の結論を言います。夏樹静子を捨てなさい。葬式を出しなさい」
その理由は、

あなたの腰痛は“夏樹静子”という存在にまつわる潜在意識が勝手に作り出した“幻の病気”にほかならない


からであると。

受け入れられない宣告を受け入れる。そして腰痛は、消えた。



この宣告は、プロの作家である著者にはまったく容認できないもの、
腰痛が始まってからの3年間、常に拒否しつづけたメッセージそのもの、
もっともバカバカしいと何度も考え、常に退けていた推測。

崖っぷちで、突きつけらこの宣告は、

一番容認したくない、一番拒否したい、一番 バカバカしいと嘲笑してきた「思い」
死にものぐるいで逃げ回った、拒否してきた「思い」


だった。

そして、

自分は逃げ回っていたのだ、と言う『事実』を認めざるをえない、という事実だった。



平木医師の粘りと、決別の受け入れ。そして腰痛が消えた


平木医師の粘りの前に、治療を続行
まったく頑として譲らない医師を前にして、
根負けしたようにして著者は絶食をつづけ、
夏樹静子との決別を決意する。

体力・気力の果てに「決別」、そして腰痛が消えた


決別の直後、
腰痛の激痛が去る。
腰痛はうそのように消え、
二度と腰痛がおこらなくなった。

いまも著者自身が信じられない腰痛からの回復


「夏樹静子氏は、一年の休筆により治癒した」というのは、事実だし、簡単でしょう。
しかし、あれほどの物理的な痛みが、
自分の心が作り出していたものだった、
ただ自分の心の問題だった、
そのことは、苦しんだ本人には、とうてい信じられないことでしょう。

読んでいて、私自身にも信じられない思いがありました。

まとめれば、著者の腰痛は心身症にすぎなかった、となります


客観的に言い表せば、それで終わりですが、
その腰痛の苦しみが、そして、そこからの回復の過程が、
臨場感と、ユーモアを交えて、
著者自身の心と体に誠実に、語られています。
それが、「心のせいで、腰痛になる」という、未だに常識的とは言い難い事実に、
説得力と、共感力を与えています。

臨床的には、腰痛は、急性で、比較的短期間で回復するものが多いのですが、
内臓の疾患や、感染症によるもの、さらには心因性のものもあります。

今回の本を紹介しながら、これからも、虚心坦懐(たんかい)に、謙虚に、
施術を行っていこうと、あらためて思いました。 しばカイロプラクティック しばひろみ
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コメント
これは、悪霊にとりつかれたということでしょうか。
【2008/10/07 03:59】 | ニシヤン #- | [edit]
先日、NHKの腰痛についての特集でも、心因性の腰痛について触れていました。
一部の大学病院でも、整形外科と診療内科医などが組んで治療する体制を作りつつあるそうです。
胃痛などではなく、腰痛という形で心因性のものが出てくるというのが不思議ですね。
【2008/10/07 12:36】 | 亥輔 #qjsITxmk | [edit]
私も読みました!この本。
夏樹静子さんのすごい筆力で、一気に読めてしまいました。
本の中にも、知人に「今までの中で一番面白かった」と言われて苦笑い・・というエピソードがありましたね。
心のなせる技って、良い意味でも悪い意味でも、はかりしれないものがあるんですね。
【2008/10/07 22:16】 | akari #- | [edit]
ニシヤンさん、
現実の症状は、医学の中でははかれないものがあるかもしれませんね。
どのような名前で呼ぶにせよ、現実の症状はそこにあります。

私としては、心身症、自律神経失調症というような呼び方を
しています。

しかし、どのように呼ぶにせよ、その症状は現実ですがら、
それを好転させるよう、私のできることを日々努力していきます。
【2008/10/08 00:34】 | ばなな #- | [edit]
私も足の痛みの正体が分からなくて、心療内科紹介されたのですが、
どうも「ヤブ」に当たったみたいで、その医者に行くほど鬱になるもので、
ここでの治療をやめさせてもらったことがあります。
現在は整体にてリハビリ中。
【2008/10/10 14:13】 | cyah #3QoNeXxQ | [edit]












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