『免疫学個人授業』(新潮文庫)
2008-06-15
「自分とは、自分ではないもの、ではないものである」多田富雄先生と、南伸坊さんの『免疫学個人授業』(新潮文庫)を読んだ。自己と非自己を区別するために、人体が開発した精妙な「超システム」である免疫の仕組みが、分かりやすく、でも深い考察とともに、語られている。
「自己でないもの」を排除する活動が、生物学的な自己を形作っている。自己でないものを区別できなくなったとき、あるいは、自己を自己でないと認識してしまったとき、生命はバランスを失い、不調和の中に崩れ去ってしまう。「超システム」である免疫システムは、自己目的化しており、人体を守る、というそもそもの目的を忘れて、免疫不全症という難病を、しばしば引き起こしてしまう・・・。
カイロプラクティックにおいても、交感神経・副交感神経のバランスをとっていく手技がある。一見地味で派手さはない手技だが、カラダの調和を取り戻す上でかなめとなることも多い。
人間が他者について感じる怖れ、しかし一方で、他者との差異を通じて自己を確立するプロセス、これらは生物学的な自己の形成と軌を一にしているように感じた。アリストテレスの、人間は社会的な存在である、と言う言葉は、人間は社会的な活動によって自己を存在させる、と言い直すこともできるだろう。
また、免疫のシステムが、ストレスや精神状態に対する感受性を持っていることも学んだ。体を整えて気分もリフレッシュすれば、免疫の力が高まるわけだ。カイロプラクティックや整体によって体調を整えることが、健康づくりに直接に結びつくことが、科学研究からも立証されているわけだ。とても心強い。
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